<消化管縫合>
消化管縫合は1810年代にはじまり、現在に至るまでずっと進化を続けている手技です。近年の消化管縫合は、単純に縫うだけではなく、併発症を回避する最善の手技を提供するために、状況に応じてさまざまな縫合法を使い分けることが重要とされています。医学領域での縫合の際の前壁―後壁の概念や狭窄拡張に対するFinney operationの概念は消化管外科に必須の考え方であり、また、近年報告された、Back-wall-Gambee, hemi-layer to layer, 後壁先行漿膜縫合などは消化管縫合の手技を劇的に簡素化、確実化して併発症を減らしてきました。学ぶべきことが多く、常にup-dateが必要な消化器外科も、残念ながら獣医学領域では今日でも昭和の、ときに江戸時代の縫合が主流であり、医学領域の数倍の併発症が報告され続けています。臨床獣医師に必須の“現代の消化器外科”をこの機会にぜひ体験してください。 |